派遣の仕組み
派遣とは雇用形態の一種ですが、正社員・契約社員・アルバイトなどと全く異なる点は
「雇用されている会社と仕事をする会社が違う」ことです。
下の図は派遣の説明でよく使われる関係図です。

この図についてそれぞれの相関関係を説明します。
(1)派遣社員と派遣先について
派遣社員の方は「派遣先」から指揮命令を受けて労務の提供を行います。
平たく言えば指示を受けて仕事をします。
ここだけを見ると正社員やアルバイトと何ら変わりはありません。
(2)派遣社員と派遣会社について
派遣社員の方は派遣会社と雇用契約を結びます。
給与の多くは実働時間に応じて派遣会社から支払われます。(月給制の場合もあります)
要件を満たせば雇用保険や社会保険に加入となり、有給休暇も付与されます。
派遣だから有給休暇が無いなんてことはありません。
派遣会社により異なりますが、一定期間の雇用見込みがある場合には健康診断も受けることができます。
また、派遣会社によっては福利厚生としてスポーツクラブやベビーシッターなどの費用補助、キャリアアップ支援としてインターネットを利用した教育研修などがあります。
(3)派遣先と派遣会社について
派遣社員の方が就業を開始する前に労働者派遣契約を締結します。
この契約内容には業務内容、派遣期間、勤務時間、休日、残業の有無、派遣料金といった
派遣社員の方が働く条件に直結する項目が盛り込まれています。
派遣先は契約内容と異なる業務を派遣社員の方にさせることはできません。
派遣料金については派遣社員の方の実働時間に応じて派遣会社へ支払われます。
派遣会社は派遣料金の中から給与・交通費や(会社負担分の)保険料を負担します。
学生さんには派遣がオススメ
(1)日雇い派遣とは?
あまり耳慣れない言葉ですが「日雇い派遣」をご存知でしょうか?
平成24年10月1日から施行された改正労働者派遣法で、日雇い派遣が原則禁止になりました。
原則禁止となっているのは「30日以内の派遣のお仕事」です。
法改正以前は派遣会社・派遣先それぞれで雇用管理の責任が果たされず、労働災害発生の原因になっていました。
さらに派遣社員の方の安定的な雇用を守るためにその線引きとして31日以上という
期間設定がなされています。
この日雇い派遣には、以下のいずれかに該当する方は例外的に就業が認められています。
<例外事由>
※定時制や夜間学校の学生、休学中の学生、予備校生、一部の専門学校生は該当しません。
例外事由を見ると、昼間学生の方が採用面で圧倒的に有利です。以下、理由を挙げます。
①:体力的な面や派遣先の人員構成上、派遣会社としても採用をためらうため。
③:メインの仕事先で副業が認められていない、そもそも副業をする必要がないため。
また、就業に際して年収が確認できる公的な証明書の提示が必要。
④:③と同じで世帯年収と就業する方の年収が確認できる公的な証明書が必要で、
少しのお小遣いを稼ぐために世帯年収などプライベートな情報を渡さないといけないため。
要するに、学生さんは「学生である」というだけで30日以内のお仕事に採用されやすいのです。
実際に③と④に該当し条件を満たしていても、年収要件を満たす証明書の提出を嫌がる方も大勢います。
(2)学生さんが派遣で働くメリット
日雇い派遣で働く昼間学生のメリットを具体的に挙げます。
時給が高い
通常のアルバイトと比較して、時給が高いケースが多くあります。
これは派遣先と派遣会社が労働者派遣契約を締結する際に、学生を派遣する場合でも
派遣料金をディスカウントすることが少ないからです。
その代わりに派遣先によっては、それ相応の経験やスキルを求めることもあります。
期間が短いので割り切って仕事ができる
短期間の仕事なので多少嫌なことがあってもゴールが近い分、精神的な余裕が生まれます。
人間関係に神経を使う必要もなく、期間が短いので難しいことを押し付けられることは少ないと思います。
職場の情報を前もって聞ける
いきなり知らない所で働くのは学生さんに限らず不安になります。
働き始める前に派遣会社で面接を受けて、良いこと悪いことも含めて気になることを聞きましょう。
質問しても回答が曖昧であったり、面接もせず電話で仕事内容を聞くだけというのは止めましょう。
派遣会社の担当者によっては都合の良いことだけ話して、あとで「聞いていた話と違う」ことになります。
派遣会社からのフォローを受けられる
短期間とはいえ「体力的に精神的にキツイ」、「想像していた仕事と違っていた」など予期せぬトラブルは起こり得るものです。
そんな時は遠慮なく派遣会社に相談しましょう。
派遣会社には派遣社員の方からの苦情申し出があれば、派遣先とその内容を協議し問題解決に当たる義務があります。
自分だけで抱え込まずに気軽に派遣会社の担当者に相談して下さい。
コメント